リテナー契約とは

「リテナー契約」がPRや広報の分野で一般的になってきていますが、その具体的な内容についてはまだ広く理解されていません。この記事を通じて、リテナー契約の基本的な枠組み、その利点と欠点、適応されている業界、そしてアドバイザリー契約との相違点について詳細に説明します。

リテナー契約とは

近年、PRや広報の業界でも一般的な契約形態となっているリテナー契約は、スポット（単発）ではなく、月単位の契約でサービスを提供するものです。

特に、社内に広報担当がいない場合や、広報のノウハウは無いが、将来的に内製化したいといった場合の活用が多いです。

リテナー契約の契約期間

最短3か月から、基本的には1年以上の契約形態を採用している場合が多くあります。会社によって契約期間や契約内容は異なるため、契約の際は必ず確認するようにしましょう。

リテナー契約のメリット

リテナー契約では、サービスを提供するPR会社を自社のビジネスの一部として利用できるため、戦略策定から実行まで一気通貫で行えるメリットがあります。

また、リテナー契約を結んでいると、サービス提供者に対する優先的なアクセス権を得られます。つまり、必要なときにすぐに相談したり、問題を解決したりすることが可能です。

リテナー契約のデメリット

リテナー契約は長期契約のため、使用量が少ない月でも同じ料金が発生します。そのため、利用量が不規則な場合や使用頻度が低い場合、コストが割高になることがあります。

リテナー契約を導入している業界

M＆A業界、コンサルティング業界、PR業界、マーケティング業界、IT業界では一般的な契約体系となります。

また弁護士や、会計士の業界でも使われる言葉で、いわゆる「顧問契約」を指します。

不動産業界でもこのような契約形態が採られることがあります。一定期間、物件を管理する場合や、家賃保証をするなども、リテナー契約に分類されます。

アドバイザリー契約とはどう違う？

「アドバイザリー契約」と「リテナー契約」は、どちらも一定期間のサービスを提供する契約形態であるため混同されることが多いですが、違いがあります。「アドバイザリー契約」は、専門知識や経験を持つ専門家がクライアントに対して助言や指導などを行う契約のことを指します。

一方、「リテナー契約」は、一定期間、定期的な「サービス提供」を行う契約です。

つまり、「アドバイザリー契約」が、専門家があくまでアドバイスや意見を提供する契約であり、一方の「リテナー契約」は、専門家がクライアントに対して定期的なサービスを提供する契約であるという点が異なります。

ただし、業界や企業によっては「アドバイザリー契約」と「リテナー契約」の呼称が混用されていることがあるため、契約時に内容を確認することが大切です。

まとめ

ひとくちにリテナー契約といっても、業界や会社によってサービス内容が大きく異なります。企業とリテナー契約を結ぶ際は、その違いを把握したうえで判断するとよいでしょう。